ヤマトホールディングスは8月26日、米国テキサス州Fort Worth郊外で、eVTOL機(Electric Vertical Take-Off and Landing:電動垂直離着陸機=ドローン)にポッド(外装式輸送容器)を搭載した、ラストワンマイル輸送の実証実験に成功した。
米国のBell Helicopterが開発したeVTOL機の“APT 70”に、ヤマトが開発したポッドである“PUPA 70XG”を搭載して、それぞれの開発機材の連接性に関する機能実験を行った。
両社は昨秋、新たな空の輸送モードの構築に向けて協力することで合意していた(18年10月15日既報)。
APT 70はテイルシッター型のeVTOL機で時速160km以上で飛行し、32kgの貨物を積載できる。
一方、PUPA 70XGはeVTOL機に結合できる貨物ユニットで、32kgまでの積載可能重量を持つ試験器材。巡航中には高い空力特性を持ち、地上では多様な環境下で荷積み・荷下ろしや搬送を容易に行うことができる機能を備えている。
実証実験では次の項目が検証および証明された。
1)APT 70の空力特性を最適化した姿勢での自律飛行
2)飛行中および地上での作業時の高い安全性と可用性
3)空輸からラストワンマイルへのシームレスな輸送形態の遷移
4)荷物の格納および取り出しに関する取り扱いの容易さ
今回の成功を踏まえ、両社は2020年代前半のサービス開始を目指すとしている。
写真は実証実験で、機体の中央部にPUPA 70XGを挟み込むように搭載して、離陸するAPT 70。