ANA：SAFを活用し邦人航空会社初の貨物便を運航
全日本空輸（ANA）は、持続可能な航空燃料（SAF）を活用し、航空輸送におけるCO2排出削減に取り組む、“SAF Flight Initiative：For the Next Generation（以下、SAF Flight Initiative）”を立ち上げ、10月14日、羽田空港の格納庫で会見を開催した。
“SAF Flight Initiative”は、ANA便を利用するさまざまな産業におけるリーディングカンパニーの顧客の脱炭素化に向けた取り組みをサポートしながら、産業横断的にSAFの生産と活用拡大に取り組んでいくことを目的としたプログラム。
このプログラムは、（1）コーポレート・プログラム（契約企業の社員出張時の活用）と、（2）カーゴ・プログラム（航空貨物輸送）の2軸で構成されている。9月29日には、日本通運株式会社／株式会社近鉄エクスプレス／郵船ロジスティクス株式会社という大手フォワーダー3社が先行して後者（2）のプログラムに参画し、SAFを使用した貨物便（成田発Frankfurt向け、機材B777F）を日本から初めて運航した。
ANAの平子裕志代表取締役社長は、「世界中で環境問題についての関心が高まっている。SAFに対しては具体的な取り組みが欧米諸国で先行している中、日本は大きく立ち遅れているところ。2050年のカーボン・ニュートラルを発表した日本における取り組みを、日本の航空会社として急ぐ必要がある。航空輸送を利用する企業が協力して産業界全体でSAFの認知を広め、その利用を推進することで、SAFの量産・普及を目指したい」と述べた。
ANA Cargoの外山俊明代表取締役社長は、「近年、航空貨物の分野でもCO2の排出削減について関心が高まっており、輸送時におけるCO2削減が実現している。このプログラムを促進することによってSAFを利用した航空輸送をますます拡大していきたい。フォワーダー・荷主とともに物流企業全体で持続可能な航空貨物輸送を実現していく」とコメントした。
ANAグループでは、2050年までに航空機運航によるCO2排出量実質ゼロを目指すという環境目標の達成と、顧客企業の環境目標実現にも貢献できるよう、あらゆる環境対応サービスの実現を目指すとしている。写真は、左からANAの平子裕志代表取締役社長、会見に参列した日本通運 長嶋敦 常務執行役員、近鉄エクスプレス �盒狭酳� 取締役常務執行役員、郵船ロジスティクス 岡本宏行専務執行役員、ANA Cargo 外山俊明代表取締役社長。
