米DOTと加州:S/Cインフラ整備でパートナーシップ合意
米国運輸省(DOT)とカリフォルニア州のGavin Newsom知事は10月28日(現地時間)、進行中の“Biden-Harris物流混乱解決のためのタスクフォース”の取り組みの一環として、カリフォルニア州で数10億ドル規模のサプライチェーン・インフラ改良資金の調達機会をもたらす、革新的なプロジェクトを促進するための“戦略的パートナーシップ”に合意、締結したと発表した。
カリフォルニア州はこれにより、関連プロジェクトの作業を断片的なアプローチではなく、総合的に促進することができるようになる、としている。結果として米経済の成長に役立ち、周辺環境を保護し、輸出入貨物の移動とスムーズな供給を促進することで、物流危機に瀕したLos Angeles/Long Beach両港があるサンペドロ湾からの米国内物流回廊の輸出入サプライチェーン全体に回復をもたらすものと期待している。
加州のNewsom知事は、「カリフォルニアの諸港とそのインフラは、全米サプライチェーンの鍵となるもの。Biden-Harrisタスクフォースの構想に基づき、複数のインフラ・プロジェクトを進行してサプライチェーンを改善し、より速く、より安く、より環境にやさしく商品の流通を確保できるようになる」と語った。
今回の加州とDOTの合意計画には下記の内容が含まれる。
・港湾の特別なアップグレード
・貨物鉄道のキャパ拡大
・保管機能拡充のためのインランドデポ施設の開拓
・鉄道とトラックの電動化
・トラックの走行距離を改善するための高速道路のアップグレード
・鉄道と道路の交差点の数を減らすために立体交差化し安全性向上・効率化
・越境貨物が入国する駅のトレード・キャパを拡大
・その他、カリフォルニア交通局が認めた重要なプロジェクトの推進
この協定は、DOT内の米国建設局が加州交通局を支援し、交通インフラ金融革新法および鉄道改善融資法に基づき、DOTが信用供与することによって、数10億ドル規模の投資を募って行われる見込み。
「私たちのサプライチェーンは、前例のない消費者需要にパンデミックによる混乱が重なってしまったため、数10年にわたるインフラへの過少投資があらわになってしまいました。現在、わが政権は24時間体制で対応していますが、このようなサプライチェーンに対する短期的および長期的な課題の両方には、超党派で取り組む必要がある」と、Pete Buttigieg米国運輸長官は述べた。
米DOTによれば、Biden-Harrisタスクフォースは、サプライチェーン全体にわたって民間企業と協力し、サプライチェーンの運用を1日24時間、週7日まで拡大した。これまでのところ、LA/LBの両港湾局、港湾労組ILWU、Union Pacific鉄道、およびWalmart、Target、FedEx、UPS、Home Depotは営業時間の延長に取り組んでいる。さらに、DOTは官僚的形式主義をなくし、トラック運転手が簡単に利用できるような商用運転免許証(CDL)を加州陸運局で取得できるように図った。今年は昨年に比べて60%多くのCDLを発行している。
ちなみに、カリフォルニア州で最近制定された予算には、加州諸港湾整備に2億5000万ドル、Oakland港とその周辺のインフラ整備に2億8000万ドルがあり、さらに1000台以上のドレー・トラックを含む公共バスとスクールバスをゼロエミッション車として整備するのに3年間で13億ドルを付けているという。