ANA:第2四半期は988億円赤字、通期では1000億円赤字に
ANAホールディングスは10月29日、2022年3月期の第2四半期(21年4月1日〜9月30日)決算を発表した。
売上高は4311億円(前年同期比47.7%増)、営業損益が▲1160億円(同1649億円改善)、経常損益は▲1155億円(同1531億円改善)、親会社株主に帰属する四半期純損益が▲988億円(同896億円改善)となった。
2020年の第2四半期に比べて回復傾向を見せているものの、赤字からは脱出できないでいる。
主力の航空事業の売上高は3702億円(同1335億円増)、営業損益は▲1137億円(同1640億円増)。
新型コロナ変異株の流行による感染再拡大の影響を受けたものの、旅客需要は前年から増加したほか、貨物収入が過去最高となったことなどから、売上高は前年同期を上回った。一方、前年の大型機を中心とした機材の早期退役による減価償却費・整備費や人件費といった固定費の削減を進めたことなどにより、前年同期に比べて損益は改善したものの、営業損失を計上した。
国際線貨物については、輸送重量が47万6000トン(前年同期比109.0%増)、有償貨物トンキロは25億1600万トンキロ(同140.3%増)、収入は1383億円(同172.4%増)となった。
国際線貨物では、旺盛な需要を背景に旅客機を使用した貨物専用便を積極的に設定したことに加え、7月から成田〜北京線にB767F型機を新規就航させるなど、貨物専用機を最大限活用したことにより、日本・アジア発の自動車部品および半導体・電子機器や、北米・欧州発の電子機器、ワクチンなどの医薬品を積極的に取り込んだ。その結果、輸送重量は前年同期を大きく上回り、収入は過去最高となった。
なお、2022年3月期の通期予想は、売上高が1兆600億円、営業損益が▲1250億円、親会社株主に帰属する当期純損益は▲1000億円と見込む。
通期予想については、国際線貨物需要が好調に推移する一方で、コロナの影響が変異株の流行等により長期化したため、当初の想定よりも旅客需要が大きく減少した。足元では国内の新規感染者数の減少に伴い、国内線旅客需要に回復傾向が見られるが、需要の本格的な回復時期が遅れている。
運航関連の変動費の抑制に加えて、整備費・外部委託費等の固定費削減の深掘りを実行し営業費用削減に取り組むが、売上高の減少が大きく、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても大幅に減少することにより、損失を計上する見通しとしている。